一般社団法人 中標津青年会議所
2021年度 理事長所信

2021年度 第46代理事長
柳田 大毅

 

転機から革新へ~思いやりの心と新しい価値で新時代に光させ!

 

【はじめに】

2020年、我々日本人だけではなく世界中すべての人達の生活様式が変わるほどの非常に大きな出来事に差し当たりました。言うまでもなく一番尊い人命を守るため、人々の行動自体に様々な制限をかけた正直見慣れない社会となり、必然的に経済活動は苦境の折に入りました。ただ、この出来事は初めて直面する事象かもしれませんが、苦難は初めての出来事ではありません。種類や規模は違えど今まで多くの苦難があったはずです。それでも社会がより良くなり続けた背景には、きっと苦難に立ち向かった知恵と力があったはずでしょう。今世界で起きているこの事象は必然的に転機となり、そこに知恵と力を振り絞って、前を向き立ち向かうことで社会はより良く革新していくと感じています。

 

【今必要な人間力】

私が生まれた1980年代、人との関わり方は対面式が主であり通信手段も今の時代の形態とは大きく違いはるか昔の技術とも感じられます。情報も近代のように簡単に手に入ることもなく、相手に意志を伝えることはある意味、今よりも簡単ではなかったという見方もあるのではないでしょうか。近年は10年と待たずに次々と革新的なテクノロジーが生まれ、人々の生活は利便性が向上し、より効率的な社会となり、今なお時代は目まぐるしく変化し続けています。人と人との関わり合う幅は飛躍的に拡大し、コミュニケーションに要する時間の概念は非常に短縮されました。しかし、この相対的な問題として様々な方法で他者に対して意志を伝えられることが可能になり、簡易的に多くの人につながれることから、他者との意思疎通において最も尊い言葉という武器が多くの人をより簡単に傷つけやすくなった事実もあります。対面的なコミュニケーションの機会が減ること自体は時代に合った一つの形である一方で、思いやりの心が決しておきざりにならない人とのつながりかたを今一度考えたい。そして、目まぐるしく変化する時代の中だからこそ、これまで見えてこなかった課題を投げかける声、又は新しい変化につながる声など様々な声を聴く機会が生まれると感じています。私達自身もその声をしっかりと聴く力を携えて、新しい時代でも自己啓発と意志を伝える能力の向上を止めることなく、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断できる社会へ向けて、今必要な人間力を開発しよう。

 

【新しい価値と未来ビジョン】

近年、社会で多く聞く言葉の中に持続可能という言葉があります。これにはもちろん2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに世界共通の持続可能な開発目標として策定されたSDGsが大きく影響したと考えます。今では企業や、団体、しいては人々の生活の中でトレンドとなり、逆に持続可能ではない目標は重要項目から外れてしまう社会の流れもあります。ただ世界共通の目標が故に各地域では認知度が低く、多少なりともズレが生じることも考えられるのではないでしょうか。SDGsは指標として大いに活用し、持続可能に固定概念を抱かず、地域にあった持続可能な開発が必要と考えます。そして近年の社会情勢の中で、世界中で暮らす全ての人が生活様式を変化せざるをえないこととなった新型コロナウイルスの影響があります。現実の問題として、インバウンドに関わる様々な分野、観光事業や各種人との接触を伴うサービス等、多くの人々が影響を受け続けています。今までの概念では立ち行かない、日常が変化したことはみなさんの共通認識ではないでしょうか。では、今までの概念で積み上げたものは無駄なのか、この影響がなくならない限り何も行動を起こすことは出来ないのか。答えはNOだと考えます。中標津町を含めたこの近隣地域には、豊かな大自然、その環境の中で育まれた食の魅力、地方都市としての利便性も兼ね備え、先人達が築き上げた非常に多くの価値があります。この価値を活用しない手はないでしょうし、今だ活用しきれていない価値、今だからこそ活用できる価値があるとも考えます。例えば、社会情勢が大きく変化した新しい生活様式の中で「ワーケーション」という言葉が生まれ、リモートでの仕事を都心ではなく魅力ある地域で行うこのスタイルは、フィールドの力があるこの地域には実現できる可能性が十分にあると感じます。地域間での交流に関しては今までのスタンダードが適用できない側面はありますが、魅力ある地域を表現、発信することは変わらず実現可能であり、地域のファンを増やし関係人口を増加させることは今後更に重要と考えます。この転機の中、今まで見えなかった価値を発見し未来のビジョンを見出そう。

 

【地域におこる笑顔こそが力】

我々が住むこの地域を活性化させる力とはいったい何でしょうか。それは若い世代が生み出す活力と考える人もいれば、前項で伝えさせて頂いた地域のフィールド力を考える人もいるでしょう。では若い世代の生み出す活力とはいったい何でしょうか。それは文字通りこの地域を担っていく若い世代のこと、しいては我々青年会議所や、地域のために様々な活動を行っている青年団体の方々が生み出す活力が当てはまるのではないでしょうか。では地域活性のために我々の原動力となるのはいったい何でしょうか。それはこの地域が大好きでより良くしたいという志と、地域活性への運動を通してえられた笑顔が原動力となり、その原動力を得て、更に情熱と気概をもって行動して行くことだと考えます。正直私は、地域を活性させる運動の重要な部分に人と人とが直接関わり合い、同じ場所で同じ時間を過ごし、同じ状況下で共に楽しむといった概念を深く感じていました。ただ、新しい生活様式の中でそれら全てを念頭におき地域活性を行うことは現実的ではないのかもしれません。しかし、この新しい社会の中で人々の交流を止めること、地域の活性を諦めることは衰退を意味し、大事なのは地域を思う志と、そこに笑顔を生み出すことと考えます。この地域を大切に思う多くの志が存在し、地域活性は我々だけでは決してなしとげられません。誰とどこで何をするというのは方法の一つであって、決して下を向かず前を向き、固定概念にとらわれず地域に笑顔を生み出そう。

 

【北方領土と国民わたしたち】

日本固有の領土である北方領土は戦後から76年たった今も返還されておりません。元島民の方々の平均年齢は85歳を超え、3世の世代にあたる我々もすでに次の4世と言われる世代にこの北方領土問題の重要性を語り継ぐ時代となりました。何度か訪れた好転の機会も納得のいく形とはならず、この問題に対して主軸となり交渉を繰り返してきた我が国の首相の交代という社会情勢もあり、焦りと不安をぬぐえない元島民の方の声があるのも事実です。そして、日本には北方領土問題のみならず韓国との竹島問題も存在し、尖閣諸島においては中国との緊張が高まっている現状もあります。このような問題を進展がないと受け止め万が一にでも風化させてしまう事は、主権国家としてのアイデンティティの崩壊を意味し、決しておきてはなりません。そのためにもこの問題の重要性を伝える我々の意志だけではなく、今後の未来を見据えて4世となる若い世代の声を聴くことも重要です。今の時代においての意識喚起を探り出し、両国の若い世代の交流を視野においた、転機を機会ととらえた新しいアプローチを進めよう。

 

【新時代の共鳴へ】

私が中標津青年会議所に入会した2010年、50名近くのメンバーが在籍していました。そして2021年度会員数は初めて10人台での新しいスタートを切ります。ただ悲観するだけではなく、50名から急に10人台への変化を遂げたわけではなく、人数の減少とともにより各々がJAYCEEとして主体性を持たなければならない現実も生まれ、LOMとしての活気が下がったわけでもありません。私が思うことは、青年会議所で得た経験や仲間とのかけがえのない時間はこれからも一生忘れられない大切なものでありますし、胸をはって青年会議所にいてよかったと言えるでしょう。しかし、現実問題として共に地域のために運動を展開する同志が少なくなったことは中標津青年会議所だけではなく各地域で起きている問題であり、目指す方向には共感する志はありながらもJCとしての組織の形に一歩共感していただけない課題があったのかもしれません。2020年、一丁目一番地として組織改革がかかげられ我々中標津青年会議所も変革を大きなテーマの一つとして邁進して参りました。私もこの理念は現在進行形と考えますし、図らずも世界が新しいスタンダードへと変貌したこの流れがJCのより時代に合った変革を後押しすると感じています。志を同じく相集い力を合わせる同士はかけがえのない存在です。我々が時代に合わせて変革に挑戦し、新しい時代の共鳴を生み出そう。

 

【結びに】

一年前と今とでみなさんの前に広がる景色はどう変わったでしょうか。現実として世界中すべてが影響を受けた変化は受け入れるべきであり、世の中は不確実で複雑なのは事実と言えるでしょう。しかし、転機という機会がすべての人に訪れている今、私達はどうあるべきか。私達は誰かのために行動することの大切さを知っている。地域のために、他の誰かのために行動することは簡単でも楽なものでもないけれど、このミッションは決して一人で遂行できるものではないが、苦しいことも楽しいことも分かち合える仲間がいるから必ずできる。より良い社会に向けて挑戦するべきこの転機という機会の中、大好きなこの地域や他の誰かのために、そして共に向き合う仲間のために、無くしてはいけない思いやりの心をひっさげて、今だから見える新しい価値を探し出し、大きく変化をとげる新時代に光さし、未来へむけて革新へ。

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